空飛びラボ日記 Ver.2

研究する人生

読了 「きのう何食べた? 6」

きのう何食べた?(6) (モーニング KC)

きのう何食べた?(6) (モーニング KC)

6巻です。
内容はさらさら読んで、普通に面白く、、、私と同じような人はたくさんいると思いますが、これもうほとんどレシピ本ですからw

ただ今回は気になる記述があったので、そのことについて書いてみようと思います。

後ろの方に牛ステーキを焼くシーンがあり、作者のひとことコメントで「牛肉を食べた時だけ出る快楽物質がある」と。だから、特別に美味しく感じるんだそうです。初耳でした。アナンダマイドって言うらしいです。大麻に含まれる化学物質を総称して「カンナビノイド」と言うのですが、名前が似ているので構造も似ているのかも知れません。


ま、それは今回の話とは関係ないです。

脳内麻薬は、知覚神経が極端に刺激されること(激しい痛み等)によるショック死を回避するために脳が自ら作り出すもので、麻薬物質の放出でしばし刺激を忘れてもらいましょうという、いわば自衛作用として生物に備わっています。末期癌治療でモルヒネが使用されるのはこのメカニズムを医学的に応用したものです。元々は生命の危機と相殺し合うような分子であるため、危機でもないのに麻薬だけを取り入れればその刺激の強さが私たちを支配してしまうのは当然と言えば当然ですよね。


少し話がずれますが、フライドポテトやスナック菓子が「止められない、止まらない」状態になるのはこの仕組みを応用しています。
まず、塩と油を混ぜると意識レベルで感じる塩気はかなりマイルドになりますが、実際に細胞が感じ取っている塩分濃度は含まれている塩分そのままです。塩は生存に必須ですが、過剰摂取はかなり短時間で死を招きます。従って、大量の塩が体内に入ってくるのを感じた細胞は「ヤバイですからこれ以上塩入れんといて〜」と脳にシグナルを送りますが、そもそも我々の脳は別ルートで「美味しい、そんなに塩辛くない」と感じているため、危険信号は無視されてしまいます。それどころか一層塩が取り込まれます。
油と混ざっていない塩を例えば小さじ一杯一度に口に入れて飲み込めるかというと、大抵の人は塩辛すぎて吐きだしてしまうのではないでしょうか?しかし、油自体が「旨い」という感覚を与えてしまうため、大量の塩でも簡単に取れてしまうんですね。
次に、生命危機の信号を送り続けられている脳は、一層ヤバイ状況を回避する最後の手段として脳内麻薬を出します。と、食べている方は食べると気持ちよくなるので無意識に手が止まらなくなります。恐ろしいことです。。。。
余談でした 笑。


マンガの話に戻りましょう。
牛肉を食べると脳内麻薬が出る。まぁこれが本当だとして、平時に脳内麻薬を出す必要性があるんでしょうか?
これだけ満たされているのに、頭に花畑を出現させるのは一体何のためですか?また、脳内麻薬が出ることが食卓の肉食化を、ファストフード化を、加速させているのだとしたら、、、、我々は踊らされている消費者以外の何物でもありません。

食べると脳内麻薬が出る→へーーいいじゃん、ではなく、脳内麻薬が今必要ですか?と問うてみることが必要ではないかと思うのです。
脳内麻薬は依存性が無い、と言われています。本当でしょうか??
ほんまもんのジャンキーでなくても、ジャンキーレベルのスナック菓子依存ちゃん、ファストフード命人間、牛肉食べなくちゃ死んじゃうよーてなヒト、いっぱいいますよ?




・・・・ただ、そういう私もレバ刺し禁止には断固反対です!