空飛びラボ日記 Ver.2

研究する人生

運命からほんの少しだけ自由になれた日

現在、一つの公募に対して結果待ちなのですが、自信もないし、あと、尻に火が付いてとにかく次を見つけるのだと本気モードで考えまくっていると、これまで思いもつかなかった選択肢や具体的な将来展望などが出てきて、そうすると意外にもアプローチしてもいいんじゃない?という公募が増えました。
それは行き先がないから後ろ向きに選ぶと言うよりは、ステップアップの一つの段階として十分に利用可能だという意味の選択で、とにもかくにも前向きな気持ちで応募に向かえると言うことは喜ばしいことです。


ただ、これから出そうとしているいくつかの公募は場所も研究内容も全部異なっているため、それぞれを頭の中だけで比較していても優先順位が付くようで付きません。案外、その日の気分で「一番行きたいところ」が変わったりします。
このような状態では、一番始めに採用を決めてくれたところに流れ作業的に就職してしまうでしょう。いくつか応募しても結局は一カ所くらいにしか決まらないものだ、、、、と思うけれども、もう少し、雰囲気ではなくてきちんとした比較をしてみることが必要ではないか?と思ったので、仕事用の手帳に表を作って条件や自分の考えを書き出してみました。

ポジション、任期の有無、そこからの将来展望、考え得るデメリット、メリットなど


これは、やって良かったです!
自分がどういう心構えでその仕事をやろうとしているのかもよく分かりましたし、何が嫌で何を楽しみにしているのか、も書きだして見えてきました。
脳で考えることは自分の考えに他ならないわけですが、中だけで思索しているのと一度外部に出してから再確認(読む)するのと違いますね。書きだしてから読むと、また新しい感情が出てくるので、メリットと考えていたことでも意外とそうでもないな、とかまたその逆もあります。



書きだしてみてかなり意外だと思ったのは、いくつかの研究内容の異なる仕事に対して、自分は実はデメリットだと考えることがほとんど無かったと言うことでした。どの公募もメリット(として捉えている部分)の方が多い。
まぁ、楽天的なんでしょうが。


頭の中だけで考えていた時は、分野を変えるにあたり今の仕事をそのままは続けられない事に対しての後ろめたさみたいなものがどうしても抜けなかったので、気分としてはもっとデメリットが大きい感じだったのです。

もちろん、実際に行ってみないと分からないことはたくさんあるでしょう。仕事を遂行する上で人間関係なんかは非常に重要なファクターですが、もうほとんど博打ですものね。
その辺りは神様に下駄を預けるとして、自分を運命から少しでも自由にするために、単に強い意志だけではない舵取りが必要だなと言うことに今更気付く私はのんびりしすぎなのでしょうが、最近ちょっと「見えてきたぞ」な感じではあります。



あと、些細なことが意外に自分にとっては重要だったりもしますね。
もし通れば、他の公募よりはワンランク上のポジションなだけにいいわと思っていた公募のデメリットは、くだらないと言えばくだらないのですが、書きだして眺めているとじわじわと嫌悪感が広がって、当面のポジションよりもこの嫌悪感を自分の人生に組み込まない方が長い目で見たら絶対正しいのでは?出世は最終的にすればいいじゃん、嫌な事に近寄らない方が良い気分で仕事できるじゃん、と思いました 笑。


さらに、多分他よりもかなりお給料がよい公募があり、そこは任期はあるけれど終身雇用に移行も出来るし、他にもメリットと考えられることはあって、大学ではないけれどそれもありか、と考えていたのですが、表にして比較してみると「うーん、どうかな」と。
経済的に潤えば私生活は充実させられるから、人生の比重をそちらに移して楽しく生きることは悪くないですし、やりたいこともたくさんあるのでそれも良いな、と頭で考えている時はかなり本気で思えたのですよ。仕事内容だって決して機械的ではないし、やりがいも感じられるだろうと思います。
でも、仕事の上での将来展望に感情が引き上げられるというのが私には自分で考えていた以上に大きくて(喜ばしい目標に向かって仕事したいという感じかな)、その点ではかなり劣ります。もちろん、仕事を始めてから見えてくるものはあるに決まっているので、今100%決めつけることではないですけどね。



実家から遠く離れた自活の身で無職になるのはちょっと、、、いやかなり困るので、どこか決まってくれなければ困るのですが、「とりあえずどこでもいいから」と祈るだけで進むのと「ここに決まったらこう生きる」「別のところならば、次の一歩はこう」とイメージしながら歩くのと、他人から見たら違いは分からないかも知れません。
日本には「望んでくれた先で一生懸命」という考え(美学)もあるけど、それはそれとして自分できちんと作っていく地図も無くてはダメ、少なくとも自分には、と思いました。


今日は論文執筆がはかどらなくて、何か代わりに生産的なことを、、と苦し紛れに考え出してやったことだったのですが、大変有意義でした。
自分の中の優先順位がちょっと変わったよ!!