森瑤子の小説（タイトル忘れ。「風のように」か？）で、主人公の女性が婚約者の親友と恋に落ち、婚約者は黙って認めて婚約を解消するという場面がある。
で、心変わりした主人公と婚約者が海辺で話しをするんだけど、そこで婚約者が婚約指輪を大きく海に投げて「一つの愛の終わりと、新しい友情の始まりだ」とか笑顔で言うんです。
ちょっと事情は違うんですけど、Sにもうアナタとは男と女の関係にはならない、つまりは終わりにしましょ、と言って、Sがさんざんごねるし傷ついているし（しかしこうなる原因はSにある）、私たちも体だけのようでいて気持ちの上で惹かれ合っていたところも大きく、またSは欠落感が大きい分その精神世界が豊かなところもあって、そういうところは私の好みの人だったので、同情半分未練半分愛情小匙一（他にも理由が少々あるけどそれは割愛）といった感じで、わかったこれからは友達としてそばにいるから安心しなさい、って言ったんですが、その時このシーンを思い出しました。
Sは最初は体の繋がりを持たずにずっと付き合うなんて信じられないって言ってました。まあ孤独に弱い割に付き合い下手だし（そのような人は多いが）、本人が何かイヤなことがあると解決しようとするより捨てて次に逃げがちという精神的に未熟な面があるので（このような人も多いが 笑）、そういう人は目に見える確たるものでないと信じられないんでしょうね。でも、「かたち」が確たるものかって言うと、実際のところそうでないことも多いし、型や実感が伴っていれば安心感が得られるかっていうと、これはもっとそんなことありません。
そこら辺のところをSは突き詰めていないので、どうしても何か実体を感じられるものに執着しがちなところがあります。
ま、でも色々やりとりや説得があってSも最終的にはこれからは友達として仲良くしてくれって感じになりました。でもね。。。
友達、、、、でも、ホントはこれってプラトニックな恋愛じゃね？って。。。。
余計にマズイ。。。
私は今は他人（男）と親密な心の繋がりを持つのがちょっと億劫になっていて、切実に必要としていたわけでもなかったんですが、成り行きでどうしてこうなっているのかな？という感じです。
Sのやや暴走気味な異性関係はおそらく性的興味からだけというより虚無感に端を発しているんであって（そういう心の暗さとか寒さってなんとなく感じる）、結局Sが私と関わり続けたいって言うのは肌の温もりじゃなくて、精神的な結びつきの中に探していたものがあるだろうって、意識の底の方でうっすらと感じているからだと思うわけです。それが証拠にSはいつになく心が平穏なのだそうだ。
私みたいなかたちでSに関わろうとした女は今まで居なかったみたいなんですよ、聞く限りでは。
だからなんか、なんか、、、マズイ抜き差しならぬところに来てるし、行ってしまうんじゃ、、、、と感じています。
まあ寝ないので、、、、そんなにぐちゃぐちゃにはならないと思うけど。
上手く彼の心が大人になるように付き合ってあげられるといいのだけど、、、、、、って、親か！私は。
いいんですいいんです、もう。母性が強いんで 泣。
いじけてる男の人を見ると放っておけないんでｗ
連れて帰って（比喩）、食べさせて、ぐっすり眠らせて、よく話しを聞いてやって、自信を回復させて、大人の思考ができるようにしてやって世の中に戻してやるのは慣れてますからっ（超自嘲）
ホントにもうねぇ、牧師とか向いてるんじゃないかと思います。
ほとんど初対面の時から心の暗い面をポロっと告白する男（時に女）の多いこと多いこと。なんか、言ってしまいたくなるらしいです（私は別に聞きたくない）。藪から棒に懺悔をするなよ、もーーーーー。
あーぁ、、、大人の男と付き合いたいよ。。。。。。。。。
話しがずれましたが、Sとはそんな感じで続けると。。。
私は全面的にではないですが、嬉しいですよ。好意を持ってくれている男性がいて、時々飲みに行ったり出来る相手が身近にいると気分転換になって楽しいですからね。不倫じゃないから気持ちもやはりラク。。。。でも、本当にそうなのか？ホントのところはどうなんだ？
ただ男と差し向かいで飲むならどうってことはないですが、休日の日中に二人で見知らぬ場所に（見知っててもいいけど）出かけるという付き合いをしていくってのは、、、、、しかも私とSの場合はセクシャル抜きでってのが問題なんですよ、逆に。何がいけないのか上手く説明できないってところが余計にまずいような気がする。
随分昔の映画で（「めぐり逢い」か？）、男女が運命的な出会いをしてお互いの愛情を確信するけど男には妻がいて、結局食事するだけで別れると。で、帰宅した男が傷心のままうち沈んでいると妻が気付くわけで、男はその出会いを告白する。ショックを受けて怒る妻に男が「でも彼女とは何もなかったんだ」って言うけど妻が「その方がずっと悪いわ！」って言って男をひっぱたくんですよね。結局夫婦はこれがしこりになって別れてしまうんですけど。
まあようするに、倫理的には何も悪くないけれど、心の裏切りの方がずっと重いとね、そういうことですよね。。。。。
現代にこれが通用するのか私にはよく分かりませんが。
だから、このまま二人でどこに行くのかなって思います。
誰と付き合ったって未来は見えないんですが、、、見えなくたって別に平気ですけども、Sとはすごく遠くに行くような気がしていて、そういう感覚は今まで持ったことがないので、不思議な感じもあるし少しの不安もあります。
大体、恋人じゃないのになー。少なくとも、恋人ではなかったはずですが。。。。いや今でも恋人じゃないよね？って思います、寝ないから。
でも、「寝ないからって友達ってもんでもないでしょう」と問いかけてくる自分もいます。
だから、正直に言うと「寝ない」というのは言い訳である部分もあります。
Sとの場合は「寝たくない」「今のままでは寝るわけにはいかない」ってのが大半だから、都合良い言い訳にしているだけってワケでもないんですけどね。
これからどうなることやら。。。
＋＋＋
すごく思うのは、そんなに終わりにしたくなかったの？！
そんなに惹かれる要素が（体以外に）あったのか？！
「私」も「貴方」も
・・・・・・ってことです。
自分の心にも驚きだし、Sの心にも驚きです。
あぁぁぁ〜〜〜人生って侮れない。
もう淡々とした日々（時々遊ぶけど）が続くと思っていたのに。。。。なわけないか、まだ38だもん。でも、もう38。
正直もう何もなくてもいいくらい。これまでたくさん愛し愛されたからもういらんのよ。。。。
なのに、プラトニックだと？！！勘弁してくれ。体だけの方がなんぼか扱いがラク。
私に小説でも書かせようと言うのか。
