空飛びラボ日記 Ver.2

研究する人生

映画 「夢売るふたり」

9/14鑑賞
松たか子阿部サダヲ主演

阿部サダヲ演じる市澤貫也、松たか子演じるその妻里子は二人で小さな居酒屋を営むも、火事(なんと営業中の!)で店は焼失。
前向きにやり直そうとひたむきにラーメン屋でのバイトに精を出す里子に対して貫也はこだわりが強すぎていい加減な店では働くことが出来ず酒浸りとなって里子に絡む日々。
そんな貫也に愛想を尽かしているのか、愛しているのか何とも判別しがたい里子であったが、ある日酒に酔った貫也は店の常連客だった怜子と寝てしまう。怜子もまた愛人を交通事故で亡くしてやりきれない思いを抱えていたのだった。怜子は愛人の弟から受け取っていた手切れ金を貫也に渡し、店を再建するために使ってくれと言う。貫也はそれを、昔の友人が貸してくれたといって里子に渡すのだが、怜子からのお金だとあっさりばれてしまう。
逆上して札束をガスレンジで炙る里子。しかし、燃えさかる炎を見ているうちに何か思いついたのであろうか、、、、、。
そして二人は夫婦であることを隠して都心の日本料理店に勤め、心が折れそうな女に目をつけては、貫也がその心の隙間に入り込み、金を無心するという、つまり結婚詐欺を働くようになるのだった。
貯まる金、しかし、夜な夜な別の女のところに出かけていく貫也を待つ里子の心に宿るのは、愛なのか憎しみなのか。



松たか子が怖いです。彼女演じる里子の心にあるのは最後まで愛なのか憎しみなのか分かりませんでした。本人にも分からない、まさに愛憎一体となった地獄に生きている感じがじんわり伝わってきて、恐ろしいったらないです。
梨園のお嬢様なのに、あのおばさんオーラ、華の無さといったら逆にすごい。燦めきが欠片もない。。あっぱれな女優さんですよ。。。。
阿部サダヲだめんず振りもいい!結婚詐欺に手を染めてから、むしろ生き生きしていました。騙そうと思ったのではなく、みんなを愛しちゃったんだって感じに見えるんですよねえ。この男は真面目なのか不真面目なのか?ダメなのかダメじゃないのか?見極めようとしても女の懐にすっと入っているんですねぇ。天性のジゴロ(ただし下町の)です。私はこういう男は基本的に嫌いですが、ほだされちゃうのはなんか分かります。


にしても、夫婦って怖い、人間関係って怖い。
がんじがらめで抜け出せない生き地獄のような男女関係に惹かれるところはありますが、、、、、でも私はすぐ逃げ出しちゃうなって思いました。
長い作品ですがブラックが平気な人にはオススメ。
私ももう一回観ます。
夢売るふたり : 作品情報 - 映画.com