(こいつはいつか世間様に迷惑をかけるようなことをしでかすに違いない…)
なんて理由で、実際に犯罪を犯す前に親に殺されてしまうなんて、子供の視点から見れば結構怖い。
しかも、別の大量殺傷事件が引き金ねになったこともあり、出てくる意見が殺した親の方に同調的なものが多いのもまた「えらい世の中になっているな」と考え込んでしまう。
この事件、例えば親が子供を殺す前に「かくかくしかじかでお前を生かしておくのは不安なので、親の手で息の根を止めようと思う。よろしいか?」とか了解を得ずににいきなり刺してしまったのですよね。
もちろん、もともと息子が暴力的であったなど、予兆がありすぎるから世の中も親に同情しているのでしょうが、それでも親の一存で命を奪っているわけで。
それってどうなの?本当に親の判断は正しいの???
いや、えーー?ちょっと待って、待って!
子供としてはそんなの承服できないよ!親だからって子供の命を自由にしちゃっていい訳?!と思います。
これね、家の中にいつまでも「親子」の関係性が強く残っていることが問題なのではなかと思います。
もちろん、親はいつまでも親で、子供も子供ですが、どこかで大人同士の対等な関係でもあるという側面を作っていくことも必要では?
そのためには一体どうすればいいのか?
私の意見。
まず、成人したら親は子供を家から出す。
そして、自活できるできないに関わらず、家に戻さない。
(注 要介護の病人は除く)
正直、多少の障がいがあっても出したらいいと思うんですね。
親は心配でしょうが、長い目で見れば、きっとその方が他人同士が助け合う社会が作られるのではないかな?
少なくとも私は、お隣に「なんとか一人で暮らしているけど介助があった方がいいのでは?」というひとが住んでいたら、気になって声をかけてしまうと思う。
とはいえ、障がいがある人の場合は私の考えが浅すぎることもあるかと思うので、今回は考えないでおきます。
知人に、割とハングリー精神旺盛なお父さんがいます。
が、その息子はちょっと線が細い。
大学を卒業して勤めた会社が少しブラックだったようで、半年ほどで追い詰められて出社できなくなったと。
父親としては仕事を辞めさせて、地元に戻そうと思う、とのことでした。
この時点でちょっと相談されたので、「地元に戻してもいいけど、同居しないで近所にアパートでも借りて一人暮らしは継続させた方がいいよ」と言ったのですが、あっさり自宅に戻してしまい、そしたらもう働けなくなっちゃった。
お父さんの見つけてきた地元の職場も続かない。
家から出ない。
そして10年以上が経過←イマココ
これ、同居に戻したからだと思います。
親が助けていたのでは「ピンチを乗り越えて生き延びるための強くて信頼性の高い人間関係を自分自身で作っておくことが大事」という感覚、育たないでしょう?
生まれた時から用意されていた関係の中にいるよりも、自分で作り上げた関係の方がずっと自分に合っている!自分の居場所はこっちだと感じられるようにしなくちゃ。
でもそのためには、実家から出ないとあかんと思います。
ずっと昔の親は、本心は別にしても、簡単には帰ってくるなと言って子供を送り出したように思うけど(って聞いた話だけど)、うちの両親を含めて今の親は優しすぎるよ。
私は幸いなことに(?)私自身が子供の頃から両親と心理的な距離感を感じていて実家の居心地が全然良くなかったので、そもそも実家に頼るという選択肢が自分の中にない。
だから、何がなんでも一人で生きていこうと思っているけど、これが実家が好きだったら逃げ込んで出てこれなくなっていた可能性はあった、と思いますね。
そうなってもおかしくないような、厳しい状況は何度もあったので。
中高年の引きこもりの面倒を見るのは、親兄弟じゃないです。
むしろ、親兄弟は面倒を見たらダメです。
食事をタダで食べさせてもらうのでも、母親が黙って用意してくれるのと、近所の親切なおばちゃんがおかずを分けてくれるのとでは、受け取る側に育つ気持ちが全く違うでしょう。
で、「おばちゃん、ありがとう…こんな、無職の、、見知らぬ自分に」という気持ち、他人に対するこういった気持ちがいつかその人を強くしてくれると思うのですけどね。
知らない人が食べ物を分けてくれるなんて、社会における奇跡じゃないですか?
奇跡を体験した人は、むやみに殺傷事件など起こさないと思いますけどね。
本当のところ、真綿が敷き詰められた空気の淀んだところに閉じ込められる方が、人間の精神には辛いんじゃないかな。
寒風吹きすさぶ荒野(比喩的な意味)の方が、人間本来の生きる場所だと思う。
(なんかちょっとまとまらなかったけどこの辺で)
(190613加筆修正)