空飛びラボ日記 Ver.2

研究する人生

さようならオクト

9月16日午前12時前、オクトが亡くなりました。

前回、食欲が無く強制給餌をしている旨を書いた後、持ち直したり、悪くなったりを繰り返していました。
ブログに経過を、と思っていたのですが、残暑続く中での看護だけでなく仕事も忙しく余裕がありませんでした。

soratobi-neko.hatenablog.com

自分の食事も手を抜きがちで、亡くなる一週間前くらいからは夜通しオクトのそばについていることも多くベッドでは2時間程度仮眠するだけの日が続きました。


体調不良が続く中、何度か検査を受けたのですが、問題なく健康というわけではないが、死に至るような決定的な問題は見つけられず、排尿も排便もあり、嘔吐もなく、食欲がなくて元気がないだけだったので、低空飛行ながらまだまだ頑張るだろうというのが主治医の見立てでした。

私もそう願ってはいましたが、毎日観察していると些細な変化が感じられ、特に最後の5日間ほどはオクト自身が生を諦めつつあり、ゆっくりと終わりに向かっているとの感触があり、それを何とか食い止めたいと四苦八苦しましたがダメでした。

それでも、呼吸が苦しいとか、どこかが痛いとか、そういう気配は全くなかったのです。


15日の夜中に、いつもよりも呼吸が深いかも?と感じ、危険な兆候だと思っていたのですが、16日早朝にはすでに深刻な呼吸状態となっており、病院が開くまで保つかどうか微妙という判断でした。
仮に間に合っても連れて行けるレベルではないとも思いました。

ただ見守るか、それでも何かできることをするべきか(と言ってもほとんどないのですが)、葛藤しましたが、奇跡が起きるとしたらこれしかないということで、酸素室(の手配をし、それが届いたのが10時半。
急ぎその中に入ってもらいましたが、やはりダメでした。


病理解剖しないと正確なことはわかりませんが、直前の検査から言っても呼吸器に重大な問題が生じているとは考えづらく、だから、酸素化ではないのですよね。まぁ、おおよそわかっていたのですが。

実は、亡くなる一週間前に左足だけに浮腫(むくみ)が生じ、その頃新しい薬の服用や腎不全の治療目的での点滴を始めていたので、薬の副作用も考えて一度全部止めて状況を見直そうということもやっていたのですが、オクトの場合、我が家に来る前の環境が悪すぎたし、その施設に送られる前の病歴も不明だったので、私のところに来てからの短期間では見つけられなかった別の病気(腫瘍など)があったのかもしれません。


我が家に来てから栄養状態や衛生環境が段違いに良くなったのに、思ったほど体重が増えず、なぜか徐々に下半身の筋力が衰えていったので、何か問題があったのでしょうね。
それでも、8月半ばまでは食欲も旺盛で、連れてきていただいたボランティアさんからは腎不全という申し送りがありましたが思ったより深刻な状態ではなく、最初貧血もありましたがそれは徐々に改善して正常値に戻り、健康に向かっているという手応えがあったんですけどね。


以前も書いたかもしれませんが、オクトは衛生状態が悪い場所で長年過ごしていたので、深刻な内耳炎を患っていて、根治するまで3ヶ月近くかかりました。
しかし、長年の炎症で鼓膜が破壊されたのでしょう、聴力を失っており、それは回復しませんでした。

動物にとって、聴覚はヒト以上に重要です。
聞こえないということは不安もあっただろうし、多分、楽しみも半減していたでしょう。
だから、それ以外の感覚で新しい自由な生活をもっと満喫させてあげたかったです。
ヒトを怖がらないコだから、涼しくなったら公園に連れて行って土の上を歩かせてあげようとか色々考えていたのですけどね。


寂しいです。


一緒に暮らした時間が4ヶ月程度なので、写真も少ないのですが、見てあげてください。

230514 我が家に来た翌日。緊張、不安、安堵、色々な感情が渦巻いていたことでしょう。
230517 シャンプーをして、耳垢などを取りました。毛も少しフワフワに。そして初ベランダ
230518 朝日を浴びてじっとしていました。4年ぶりの日光浴。嬉しかったことでしょう。
この頃、とにかくたくさん眠っていました。
230520 おもちゃに反応。前向きな感情が蘇ってきているのを感じました。
230523 もう部屋のどこででも寝ます。ここは安心な場所、と分かってくれたのでしょう。
230524 体力がついてきて、イスを経由して出窓まで上がれることがわかったのでベッドを置きました。
朝日も夕日も入るパノラマビュー。とっても気に入ったようです。
230609 我が家に来て約1ヶ月。食事中の私の様子を伺いに来るくらい積極的になりました。
230617 新しい猫ベッドを買ったので、試してもらっています
230625 もうすっかり「うちのコ」です
230702 出窓のベッドが自分の定位置と定めている感じですが、一日一度はこうしてコミュニケーションを取りたがりました
ウトウトしていても時々目を開けて私を見ます。耳が聞こえないので視覚で私の存在を確認しているようでした。
230709 この頃ほんの少し体重が増えたように見えます。でもこれがピークだったのかもしれません。
230714 ある日帰宅したら、しれっと寝室のもう一つの出窓に置いてある別のベッドで寛いでいたオクト
230717 遮光遮熱対策で取り付けたシートで外が見えにくくなり、やや不満顔
230718 同じ施設から来たQとは付かず離れずの関係
230729 怖い女の子にプレッシャーを掛けられて緊張しています
暑い夏が始まりました
230816 急に食欲がなくなってしまいました
色々と工夫して食べてもらいました。
230829 検査のため病院に来ました
血液検査や超音波検診からは大きな問題は見つからず、、、
230830 確かにすごく具合が悪いというふうには見えないのです。ごはんも食べさせれば嫌がらずに食べますし。
230906 この後から徐々に自力で歩けなくなりました。最後の写真です。
230917 火葬が終わるのを待っています。まだ暑いけど晴れて穏やかな日。
お骨になって帰宅しました