空飛びラボ日記 Ver.2

研究する人生

温故知新

22日から26日まで5日間連続で「2019年版 白い巨塔」の放送があった。

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テレ朝開局60周年記念での放送ということだけど、そもそも今どうしてこれをまたリメイクするのか?という疑問があった。

今秋に「ドクターX」の放送が決定したことと無縁ではないような気がする。
というよりも、白い巨塔をやるので、なんとか米倉涼子口説き落としてドクターX続編にこぎつけたという方が正解かな?

白い巨塔である浪速大学医学部の医師たちの中での良識派(真っ当な倫理観を持つ医師)としては内科の里見先生と共に病理の大河内教授がいるけれど、今回の配役では岸部一徳が演じていて、彼はドクターXでは大門医師の敏腕マネージャーである。
この配役も意図的なものであろう。

視聴者に「白い巨塔」を改めて見せておくことで、ドクターX」冒頭の『白い巨塔の崩壊に伴い、、、』というナレーションが一層活きてくるね。

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白い巨塔は好きな小説で、私の年齢だと唐沢寿明バージョンの連ドラで見ていたという人が多いのではないかと思う。
私もその口で、唐沢財前と岡田財前の違いを楽しみにしながら興味深く見た。

最初は、野心ギラギラのいわば悪役(特に前半)の財前五郎をイケメン、実直、爽やかといったキーワードが似合う岡田准一が演じるのは違和感があるなぁと思っていたのだが、見てみるとなかなかどうしてどうして、野心の塊でできた嫌な奴になっていました。
お見事。


とはいえ、前半の大学病院の医者は神様というシチュエーションは少なくとも対患者としては時代にそぐわないし、今更感が強いと思いながら見ていた。

ちなみに、医局の中では古い体質は案外残っている、と思う(特に都市部ではない地方大学)



正直、5日間も見る必要があるのか?とも感じてしまったのだが、後半の特に最終日はすごく良くて、見てよかったと素直に思えた。

最終日は、財前五郎控訴審で敗訴して最高裁に持ち込もうとする矢先に末期のすい臓がんに倒れ、あっという間に死へ向かう中で、医師としての我が身の傲慢さを振り返り、後悔し、生に執着し死を恐れ、という怒涛の展開。


死にゆく財前五郎の哀しさと壮絶な闘病姿にはおもわずホロリとなってしまった。

悪役が、その最も悪いところに関係するところで報いを受ける、というのは王道パターンではあるが(白い巨塔では、財前医師が膵臓癌の患者を自信過剰による怠慢から誤診した)、死にゆく財前五郎を見つめながら周囲の人々(視聴者含む)は何を思ったのか?
誰も口には出さないけれど、「因果応報」「バチが当たった」「天網恢恢疎にして漏らさず」といったことを重く受け止めたのではないだろうか?




しかし、
物語の中ではこのように悪役も辻褄を合わせて死んでいくことが多いが、現実は悪い政治家とか、ずーっと悪いままで長生きするの、なんでだろー?笑


*****


最終回は両親のイギリス土産を飲みながら鑑賞しました。

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ウィスキーサイダー シードルのウィスキー版という感じ。シングルモルトずきにはたまらない美味しさでした。



最期に余談ですが、財前五郎の恋人役である医大卒(中退かな)の花森ケイ子は沢尻エリカが演じていて、さすがの美貌でよかったのだけど、綺麗で頭も良さそうだけど、、、、医大に受かる顔じゃない(理系の顔じゃない)。
唐沢版では確か黒木瞳がケイ子を演ったと思うけど、ああいうクールビューティーというか、冷静に見据える眼差しを持つ女優さんを起用して欲しかった。
例えば、、、、うーーん、自分では思いつかないな。
誰がいいでしょうかね?