友人を元気づけたいなぁ、どうしたら良いかなぁと考えていたところ、「伊藤潤二展 誘惑」なるものが行われていることを知り、これだ!と思って誘い、一緒に行って来ました。
というのも、私自身が気分がクサクサすると伊藤潤二のホラー漫画をひたすら読んで元気になる、ということを年に2、3回は行っているからです。
漫画でも元気が出るなら展示されている生原稿や資料はきっともっと強烈な刺激をくれるはず。
伊藤先生の奇想天外な発想に触れれば、大抵のことは瑣末なことさ、と元気が出るのでは?と考えました。
って、それはお前向けの元気を出す方法だろうが!という突っ込みもあろうかと思いますが、いやきっと効果があるはず。
展示は千歳烏山駅または芦花公園駅から徒歩で向かえる世田谷文学館というところで行われておりました。
世田谷には幼少期に7年ほど住んでいましたが、私が居たのは渋谷に近いエリアだったので千歳烏山は初めてでした。
でも、駅から文学館に向かいながら歩いた住宅街はいかにも昔の世田谷っぽいというか、細い道が緩やかな傾斜をとりながら複雑に延びていて、品良く牧歌的な感じはまさに私が知っている世田谷、と懐かしくなりました。
そんな明るく落ち着いた街に突然出現する不穏な看板。
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私は少女時代からホラーファン。小説も漫画も好きで、よく読んでいました。
伊藤潤二をいつから読んでいたのか記憶が曖昧ですが、代表作の「富江」シリーズは作家に頓着せずに読んでいた記憶があるので、多分デビューまもない頃からだと思います。
ちなみに私のホラー漫画の基礎は、日野日出志、楳図かずお、古賀新一(主にエコエコアザラク)により形成されております。
漫画は禁止されていましたので、これらは全て本屋での立ち読みですw ビニールカバーがかかっていなかった古き良き時代です(途中からカバーがかかったような記憶があります)。
さぁ!いざ突入!!
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双一は性根がねじ曲がり周囲の人間を呪ってばかりのしょうもない子供なのですが、私も子供の頃に私をいじめていた同級生の名前を書いた紙をベランダで燃やしたりしていたので双一を否定できませんw w w
(同級生は生きています)
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富江は増殖し続ける美女なのですが、富江同士はいがみ合い、殺し合うという特性があります。
富江シリーズは好きな話ばかりで、イチオシを選ぶのはとても難しいのですがこの醪ヴァージョンはそのうちの一つ。
富江に狂った男が富江を殺してミンチにし(富江に狂う男は最終的には富江を切り刻みたいという衝動が抑えられなくなる)、肉の処理に困って友人である造り酒屋の息子に相談したところ、醪を醗酵させているタンクに入れてしまえということに。
細切れの肉片は醪と共に醗酵しながら、それぞれが富江へと再生していくが、、、というお話。
心を震わせるいい話ばかりなので原画を見ながらつい解説してしまうのですが、解説しながら「私、思っている以上に伊藤潤二に精通してる」と思いました。
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私も少なくとも心の中はこういう子供だったので良くわかるw
子供は無力だから、理不尽に対しては呪うくらいしかできないんだよ。
今は呪わないよw
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桐絵は傲慢な富江とは違って、優等生キャラです。
伊藤先生は「◯◯え」という名前がすきなのでしょうか?
ちなみに私もヒロインの一人に加えていただいても良いくらいの名前です。ヨロシク。
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うずまきの呪いでカタツムリになってしまうニンゲンが発生します。
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押切くんって俳優の吉沢亮に似てる(個人の感想です 笑)
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ネコズに翻弄される作者です。
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自らうずまきになることで、自分にとって不要なものを絞り出す装置なんですね、これは。
写真撮らなかったのですが、作者が影響を受けたホラーコレクションが展示されてあり、ほとんど私自身のものかと勘違いするライナップでした。
漫画が共通していたし(エコエコアザラクもあったし)、ラヴクラフト全集もあったし。
嬉しくなるわ。
岡本太郎展を観に行った時も思ったのですが、好きな人の好きなものは私もやっぱり好きだったりします。
第三者から見ると好みの方向性がとっ散らかっているように見えていても(実際、いろんなことに興味があるね、というようなことを言われることも多い)、自分の指向は散らばっているのではなくむしろビッシビシに一本の線を描いているのだなぁとしみじみしました。
さてさて友人は元気になってくれたでしょうか?
音声ガイド並のワタクシの解説がうるさくなかったのなら良いのですが。
伊藤潤二展、9月まで開催されているようなので是非足を運ばれてはいかがでしょうか?
私はもう一回行ってもいいな、と考えています。
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