空飛びラボ日記 Ver.2

研究する人生

【映画】落下の解剖学

喘息治療のため一年中抗アレルギー剤を服用していることもあり、花粉症は毎年思ったほど酷くはなりません。
が、ここ数日は涙が止まらず、くしゃみも連発。一気に気温が上がって植物が元気になっているのに加えて、お天気が良いと我が家ではベランダに出る窓は開けっぱなしなので、部屋にたくさん花粉が入っているのでしょう。

どうせ家の中も外も花粉だらけなら、外を走っても同じことなので昨日は川縁を5キロほど走ってきました。
最近体力が落ち気味なので、またコツコツ走ろうと思っています。


さて、先日「落下の解剖学」を観てきました。映画館に行くのは随分久しぶりです。

ja.wikipedia.org

gaga.ne.jp

最近はとんと映画に疎いのでこの作品もしらなかったのですが、遠くに住む友人が教えてくれました。
3時間と長い作品ですが、時間は全く気になりませんでしたので、面白い作品なのだと思います。

ただ、この作品は法廷ドラマなので、そう思って観ることが出来れば純粋にサスペンスとして楽しめると思うのですが、法廷で語られる(暴かれる)夫婦の関係性が未婚の私でもどんよりしてしまうもので、観終わってもスッキリしないし「面白かったぁ!」とはなりませんでした。

実際、レビューには「夫婦で観ると気まずくなる」という書き込みも少なくないです。


この作品はおそらく、事件への複数の視点や事件が起きた国(フランス)を母国語としない人間が容疑者となることによる法廷でのコミュニケーション不全が裁判に与える影響とかを楽しむ作品だと思うのですが、実際は夫婦の日常におけるストレスに気を取られてしまう感じでした。
それこそ関係性におけるストレスは本当によくある話で、日常生活においてどちらが多く我慢しているとか、相手の社会的成功に対する嫉妬とか、過去に子供が怪我したことについていつも責められている気がするとか、だから負い目を感じて言いたいことが言えないとか。

ようするにアンタは好き勝手していて私ばっかり我慢してる!!!ってもう!そこら中から同じ言葉が聞こえてくるようです 笑



なんかもうあるあるだなーーーーと思いますが、私の両親もめちゃくちゃ不仲で、夫婦げんかの中で育ってきた身としては、いやホントこんなストレスを抱えながら生きるくらいなら独りが良い!とどよよーんとなりながら観てました。疲れました。


夫婦に限らず、関係というのはまずイーブンにはならないとは思います。
でもアンバランスであることに双方が意識を向けることで改善しようとする力が働きますよね。
さらにこれが大事だと思うのですが、仮に自分の方が我慢が多いのでは無いか?と感じていても、実際、優位なのは自分の方かもしれないと言う視点を忘れないことですね。

自分が被害者、損しているという考えで凝り固まっていたら絶対に譲らないですし、譲らされたら我慢は憎しみに変化する場合もあります。

そういう意味では、互いに恵まれているのは自分の方なのかもと思うことで初めてイーブンになれるのかも知れません。


金持ち喧嘩せず、と言いますが、それもやはり恵まれているのは自分の方と思うことで生まれる余裕があるからでしょう。
でも、金持ち喧嘩せずは普通だし、たやすいことです。それに、今や多くの人々にはあまり関係ない言葉とも言えるかも知れません。

貧しくても不遇でも自分は被害者では無いと考える力、そう考えるための別の視点を持てるようになることが精神の成熟であり、教育は本来こういう力を付けるものではないかと思います。
*ただし、具体的な暴力行為や詐欺の被害などは別です。事件には確実に加害者と被害者はいますし、加害者は償い、被害者は補償されなければなりません。

って、映画とはズレちゃいましたが、被害者意識って他人を追い込むこともあるし、自分自身を追い詰めることもあるし、ついつい自分かわいそうって考える方がラクだし、自己憐憫のぬるま湯の心地よさはあると思うけど、止めた方が良いなと思いました。



あと、最後に。
犬の演技?がすごいというか、、、、犬が可哀想でした><
フェイク画像や部分的にロボットを使用しているというので無ければ動物虐待になるのでは?
ヨーロッパの映画なのでその辺きちんとしていると思うのですが、からくりが知りたい。