空飛びラボ日記 Ver.2

研究する人生

小さな十和

去年の10月初旬
某南の島にある地獄のような施設にボランティアに入っていたUさんからメッセージが来ました。

「どうしても出してあげたいコがいます。高齢で慢性腎不全、ご飯を全然食べなくて、どんどん弱っています。オクト君を亡くしたばかりで無理を承知のお願いです。どうかこのコに最期安心出来る場所、家族を作ってあげたい。何とか引き受けていただけないでしょうか」

で、送られてきたのがこの写真です。

なんとかわいそうな姿

うーん、、、、すごくボロボロですね ^^;

施設に送られてきたのは8月ということでそれほど長く過ごしていないのですが、酷く汚れています。
そもそも施設に長く居ても、寝たきり状態などにならなければここまで汚れることはないですから、とんでもなく劣悪な環境で暮らしていたことが推察されます。
可哀想にね。。。


具合が悪いのと、怯えているのとで、トイレに入ってご飯も食べようとしなかったようで、Uさんが行かなければ亡くなっていたと思います。
取り急ぎUさんが病院に連れて行き、点滴や強制給餌を行って多少マシな状態に、でも依然厳しい状態であることには変わりなく、我が家で受け入れても看取りだけになる可能性が高いと思われました。
それでもボランティアさんの考えとしては、暗くて汚い狭いケージの中で生涯を終えるより、静かで清潔な環境で「誰かの家族」として見守られて旅立って欲しいと言うことなんですね。
私もそれはそうだろうとは思います。

思いますけれども、、、、、でもこんなボロボロの姿を見たら断れませんね。正直経済的に結構厳しいものがあるのですが(たまに勘違いしている人がいますが、このようにすっごい頼まれて受け入れた場合でも、治療費等々は受け入れた側持ちです。ボランティアさん達もカツカツでやっていますし)。


Uさんの島での活動はだいたい1ヶ月程度なので、それまで何とか頑張ってもらい我が家に連れてきてもらうことになりました。

我が家での生活2日目

新しい名前は「十和(トワ)」としました。
私が一緒に暮らす10番目のネコですので。
少し綺麗になっているのは、ボランティアさんが施設でシャンプーしてくれたからです。
やはりものすごく汚れていて、皮膚病もあったのか、毛がごっそり抜けたらしいです。


我が家にやってきたのは10月21日夜です。
とにかく食欲が無く、施設に居る間にボランティアさんの尽力でなんとか自力で食べてくれるようにはなっていましたが、それでも一日に必要な分は食べられていないとのことでした。


しかし我が家のメシは美味い。
食べてくれるんじゃ無いかなぁと、まずは手作りペーストを大さじ1杯程度お皿に入れて目の前に出してみました。

するとあっという間に完食!
次にペーストとレトルトフードを半々に混ぜたのを規定の一食分くらい盛ってあげると、これも完食!

ボランティアさん曰く「こんなに食欲がある十和ちゃんを見たことが無い」とのことでした^^
さらに夜の間にケージに入れて置いたドライフードも完食しており、これにはボランティアのUさんも本当に驚いていました。


食欲というのは生きる意欲のバロメーターですから、自力で食べてくれるなら当初考えていたよりは頑張ってくれるかも知れないと思いました。


十和は体重が1.9キロしか無い小さな雌ネコです。
慢性腎不全に酷い口内炎があり、さらに股関節炎か腰椎変形症、あるいはその両方があると思われました(後ろ足が上手く動かせない)。

それでも物怖じしない性格で、好奇心も旺盛で、不自由ながらもトコトコ部屋の中を歩き回って探検し、とってもかわいいネコです。

今はやらなくなりましたが、最初1ヶ月程度は、膝に乗って甘えていると思ったらいきなり手や腕に噛みついて(本気噛み)、噛んだ後にいつでも逃げられるような態勢で私の顔を伺うことが1日に2,3回あり、私の手や腕も一時期酷い状態になっていましたが、これはもしかしたら以前虐待されていたからかも知れません。

そうやって噛まれても、私が大声を出したり、叩いたり払ったりは絶対にしない、ということが分かってきたのか自然とやらなくなりました。
「痛いんだよ」とは伝えましたけど 笑。

甘える十和
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ひにゃたぼっこの十和
寒くなってきたのでドームベッドに湯たんぽを入れました。お気に入りの寝床。
1日1回は膝で過ごしたい
体重も2.3キロまで増え、新しい毛もたくさん生えてきました


腎臓の数値は良くないですが、食欲はあり、このまま健やかな日々が続くかと思われたのですが。。。