空飛びラボ日記 Ver.2

研究する人生

頑張ってる十和

2023年10月下旬にうちのコになってから、しっかり食べて順調に体重を増やしつつあった十和。
背中を触ると明らかに肉が付いていて、貧血もかなり良くなっていたのです。
酷い歯石や歯周病をなんとかしてあげたくとも腎臓病や貧血との兼ね合いで麻酔下での口腔処置は出来ないという主治医の判断でしたが、代わりに口腔内の環境を良くするサプリメントを使い改善を試みていました。

元気になってきて、ケージから出たがることも増え、元気で暮らしていたのです。

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クリスマスイブの朝、居間に設置したケージに防寒対策でかぶせてある毛布を外すと十和はドームベッドの中にいて、普段と変わらないように見えました。
フードのお皿を入れるとベッドから出てきて食べ始めましたが、半分も食べずにベッドに戻ってしまいました。

元気が無いのかな?と思いつつ、十和を観察すると口元に血痕のようなものが付いています。口の中、唇と歯茎の間辺りにはさらに大きな血餅があり、私は最初歯根が傷んでいた歯が抜けて出血したのかと思ったのでした。


ところがよく見るとケージの天井や床にかなりの血が飛び散っていて、どうも口からの出血だけではなさそうと調べたところ、右後肢の第4指(ヒトで言うところの小指)が血まみれでした。

十和のケージは、元々2段の仕様なのを段を増やして3段にしていました。
1階がトイレ、2階に食事場所、2.5階に寝床、1-2階の間は60センチほどありますが、十和はジャンプがほとんど出来ないためケージの壁伝いに下に降りられるようにステッパーを配置して、普段は安全に移動が出来ていたのです。


夜間に何があったのか定かではありませんが、ケージ内で高いところから落ちて、その際に爪を引っかけて怪我をしたか、先にどこかに爪を引っかけてびっくりして転がり落ちたか、おそらくそのようなことが起きたと思われました。

ただ、私が見たときには既に出血は止まっていて、落ち着いているようでもあり、午後には食欲も回復したので、夜間休日救急には連れて行かず、翌25日月曜日に動物病院に行くことにしました。
夜になると怪我をしていない方の左後肢も麻痺のようになり、ほとんど動かすことが出来ないようでしたので、最初は骨折も疑いました。


結論から言えば脚、腰、背骨のどこにも骨折は無く、血栓ができているわけでも無いと言うことで、麻痺は打撲により元からの炎症が強く出ていることが原因という見立てでした。
ただ、指と口に怪我をしているため(歯は抜けたのでは無く折れたので、根元が残っている状態)抗生剤を処方されました。
思ったよりは大事(おおごと)ではなさそう、とこの時点では思いました。

十和はやはり食欲が少し落ちているようでしたが、ペースト状の甘酒はよく食べるため、それに砕いた抗生剤を混ぜて服用させました。


ケージはさすがに上り下りは出来ないので、トイレとベッドを並べて置き、ベッドから食事が出来るように模様替えをしました。

一番下にすると夜間は寒いので、2段目にフラットな床を作りました


後脚は上手く動かなくても前脚の力でトイレにも行けていたので、あとは怪我が回復してくれば、、、と考えていたのですが、投薬4日目にして食欲が完全に無くなり、ぐったりしてしまい、なんかこれはまずい状態ではと思いました。
何か食べさせようとしても、匂いを嗅いで顔を背ける始末。
考えられることとしては、抗生剤で胃が荒れて食欲不振。または、腎不全が悪化して食欲不振。
そこで一度投薬を中止して、皮下点滴と強制給餌を開始しました。これが12月29日。
低空飛行状態で年を越し、状態はゆるゆると悪くなっていきましたので、私も「さすがにもうダメかも」と思いながら過ごす日々でした、というか状態が悪いのは現在も継続中です。


怪我をした指は病院では特に何も処置されなかったのですが(血が止まっていた上に、私が一度患部を洗っていたのでそれほど酷い怪我だと思われなかったのかも?)、膿が固まってパンパンに腫れてきました。抗生剤を止めたこともあり、患部を清潔に保つ必要があると判断し、年が明けてからお湯で患部を洗って状態を確認したのです。
そうしたら、爪の付け根以外に2カ所も大きな傷があり、そこから大量の膿が出ている状態でした。
どうしたらケージの中でこんな怪我をするのか?謎ですが、痛がる十和をなだめながらできる限りの膿を絞り出し、手持ちの抗生物質入り軟膏を塗って、猫砂などが傷に入らないようにガーゼで軽く覆ってテーピングで止めました。
膿が出ていると言うことは白血球が働いているということですが、菌が全身に回ってしまうと敗血症になりかねません。
抗生剤を再開したいところですが、薬に耐えられる身体なのかどうかが悩ましく、しかしここまで来たら自分にやれることをやり、後は十和の生命力頼み、と言う感じでした。これが1月2日のことです。

怪我の処置に耐えてぐったりの十和


そうこうしているうちに抗生剤の服用を止めてから一週間が経ちました。
体調は依然悪く、明らかに腎不全末期の様相を呈してきました。食欲は全く回復しないのですが、強制給餌では一応食べてくれます。
食餌をさせると身体がボゥっ温かくなり、臓器はまだ働いていると思われましたので、思い切って給餌するご飯の量を増やすことにしました。
それまでは胃が弱っていることを考慮に入れて、負担にならない量を食べさせていたのですが、おそらく回復にはエネルギーが足りない。
怪我も治さないといけないのだからたくさんのタンパク質が必要、でもタンパク質を増やせば腎臓への負担が増すという矛盾があり難しい管理状況ですが、十和の様子からなんとなく「今ならぎりぎり好転させられるのでは?」と思いました。


しっかり食べさせると共にBUNが高くならないように点滴を朝晩の2回にする、食餌には適宜活性炭(ネフガード)を混ぜるなどをしました。
medical-checkup.biz
www.kyoritsuseiyaku.co.jp


これを2日ほど続けていると、ちょっと顔つきが変わってきたというか、相変わらず脚は全然動かせないのですが「お腹が空いた感じがする、、、」といった様子を見せるようになったのです。
そして少しですが自力でも食べられるようにもなりました。

そして抗生物質も再開です。ただ、また食欲が落ちるとやっかいなので当初の半量にしました。

脚の怪我は昨日再度洗って状態を確認しましたが、当てていたガーゼと共に大量の膿が取れ、患部には巨大な穴が、、、、
多分、かなり深くまで菌が入って汚染され、それが融けたのでしょう。
でも洗った患部は比較的綺麗だったので、抗生物質入り軟膏は中止してワセリンを塗りラップで巻き、ラップの隙間から漏れる膿・漿液・血液などを吸うために脱脂綿を巻いて人間の指用包帯(手袋の指だけのようなもの)をかぶせました。
指用包帯は細い脚にぴったりで良い感じです。


行ったのは湿潤療法というやり方です。傷が深い場合や感染がある場合は家庭での湿潤療法は勧められていませんが、十和の場合、既に組織が融けて綺麗になってきたことと、私がこまめにチェック出来ることでこのやり方にしました。
ja.wikipedia.org

処置の準備
処置後の脚


まだ予断を許さない状態なのは変わりませんが、十和は強い。
頑張って欲しいものだと思います。

痛い処置、頑張りました